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  • 執筆者の写真後藤悠樹/GOTO HARUKI

2014年2月 おとしまえNo.1

更新日:2018年8月31日

2014年2月



実は、先日(2014年1月新さっぽろギャラリー)の写真展では作品の販売もしていました。どっこにも記載していなかったので、お客さんにはだーれも販売しているとは、知られませんでした。しかし、会期中お一人の方が、「あれからちょっと考えてみたのだけど、、、こちらの写真を譲っていただけないでしょうか。」と、声をかけてきてくれました。


その方は会期中初めにご来場下さり、ちょうど、展示した写真に写っている町に、生まれ育った方でした。(ポストカードにもなっている橋の写真の町)数十年の時を隔てて、その方が当時何度も通った橋を私が撮影し、写真展にて、またその方の前に巡り会う瞬間は不思議な感覚で、何とも言えない時間を過ごせました。


それから私はその方に作品を制作し、発送しました。すると昨日、家に帰ると一葉の写真はがきが届いておりました。写真面はユジノのコムニチェーチスキー通り(旧・神社通り)の街並み。文面にはこう書かれておりました。

”先日は貴重な作品に無理をきいていただき、送っていただき、嬉しく、近くの同郷の友人と60余年を語り合いました。85歳の老人ですから・・・想像下さい。”

そして、同郷の同窓会が近々あるらしく、こうも書かれていました。

”皆さんに見せ・・・あれこれを語り合い、出てこられない友人には、訪ねて行きます。”

この同窓会は、会員がすでにかなりの高齢となったため、次回が最後の開催となるらしいです。間に合えて良かったと思います。


そして、ハガキのはじっこには、最後に書き足したように、こうも書かれておりました。

”このハガキは20年前故郷訪問の時の一枚です”

20年前彼は、やっと訪れた故郷で、どんな思いでこのはがきを購入したのでしょうか。そして、どんな思いでその後20年間も大切にしまっておいたはがきを、使ってくれたのでしょうか。

こうゆう話しも、きちんとまとめていきたいです。

長い目でとらえた時代や、写真に写す際の一瞬のシャッタスピードでさえも、僕らはいつの時も、目の前にある、そのときその時に去っていく世界や人々を見送りながら、また、新しい世界を迎えているのではないでしょうか。

思いがけず素早い二度目のotosimae通信となりました。今は、世の中は経済の話しばかりだけれども、やっぱり、美しい生き方に触れていたいです。それでは。

後藤 悠樹 続き→ https://www.goto-haruki2.com/blog/2014-nian-6-yue-otosimaeno-2

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